帯状疱疹後神経痛
この病気について
子供のときにかかった水ぼうそうのウイルスが何十年も神経の中に残っていて、
風邪や病気で免疫力が落ちたときに暴れ出し、皮膚と神経を傷つけることで起こります。
神経に沿って拡がるため、帯状に湿疹が出て、夜も眠れないほどの痛みが起こることもあります。
病気の治療期間
まずはじめに知っていただきたいことは、
夜寝るのも大変だという状態がいつまでも続くわけではないということです。
昔は、治らずにずっと痛みが続く人がたくさん居ましたが、
最近では帯状疱疹ウイルスを治療するお薬も良いものが出てきていますので、
通常3ヶ月くらいを目安に強い痛みを感じなくなります。
しかし下記のような場合は3ヶ月より長引く可能性が高いです。
- 60歳以上の方
- 最初に罹患した部分の面積が広く痛みの症状が激しい方
- がんや糖尿病など免疫が弱くなる病気の既往がある方
特に上記に該当する方は、早期に治療に取り組むことで、強い痛みを残さずにできる事も多いです。
治療方法の選択について
- 上記の痛みが長引くような危険因子があるかどうか
- 痛みの程度がどれくらいで、日常生活にどんな影響が出ているか
- 抗ウイルス薬による治療が適切に行われているかどうか
などにより、治療の方法は変わってきますが、
一つの有力な方法が神経ブロックという注射による治療になります。
帯状疱疹によって障害された神経をブロックすることにより、
交感神経が緊張して血行障害を起こしている部分の血流を改善し、
痛みの原因となっている発痛物質を洗い流すことができると言われています。
その他にも、症状のあまり強くない方については
イオントフォレーシスといわれる、針を刺さない注射の治療を行うことで改善を図ることもできます。
針を刺さないで注射する事なんてできるのか?と思われるかもしれませんが、
実は皮膚の下の浅い所だったら可能なのです。
帯状疱疹という病気は、皮膚の下の浅い所の神経がダメージを受けている病気なので、
このような治療で対応できることが多いのです。
全員ではないですが、針を刺さないですむ治療で改善するケースも多いです。
また、神経障害による痛みの治療薬も十年前に比べると有効なものも増えてきており、
それらの中から最適な治療方法の選択を行います