神経ブロック注射
お薬と手術の間を埋める治療、ブロック注射
実際、ブロック注射とはどんなものか。
要は痛み止めの注射でしょ、と思われることも多くあります。
中には、普通の痛み止めよりも痛いやつ、と考えていらっしゃる方もいます。
全てが間違いとはいえませんが、当院でブロック治療を受けていただいた患者様には、
ブロック治療の継続も必要無くなり痛みが出る前と変わらない日常生活が送ることができるようになられた患者様も数多くいらっしゃいます。
全ての痛みがブロック注射で治療できるわけではありません。手術が必要な痛みもやはりあります。
しかし、適切な神経ブロック治療を受けていただくことで、痛みを管理できる患者様は確実にいらっしゃいます。
当院はそういった患者様に適切なブロック注射を提供することを最大の目的としております。
神経ブロック注射が痛みにアプローチする仕組み
神経ブロック注射が痛みに作用する仕組みは、大きく分けて2つあります。
①炎症止めが炎症部位に作用して痛みが改善する
炎症をとるお薬を入れる際に大事なことは、正確に炎症・痛みがある場所を判断して、的確にその場所に近づけて炎症をとるお薬を入れてあげることです。
お薬を注射で入れる際に、炎症がある部分にそのお薬が届く量が多いほうが良いのですが、身体に入れることのできるお薬の量も限度がありますので、いかに効率的に炎症を起こしている場所にお薬を届かせるかが重要です。
これが、神経ブロックを行うことで痛みが改善する仕組みでありポイントです。
②痛みのない時間を長くする、身体を動かして痛みの改善を促す
特にこれは帯状疱疹の患者さんで多いですが、痛くない時間を長くしてあげること、もしくは、通常の日常生活を送ることができる時間を長くしてあげることができるなら、それ自体に治療効果があると言われています。
交感神経の緊張が高まっているところは、血流も悪くなって、痛みの原因になるような発痛物質がそこにたまってしまうと言われていますが、
そこの痛みをとって、交感神経の緊張を解除してあげることで、血流が改善して、痛みの原因になる物質が洗い流されると言われています。
また、身体を動かすことが痛みに関してプラスの影響があると言われています。
痛みがある状態が長く続くと、脳の萎縮が見られることが最近では知られていますし、それを改善することができるのは、適切な運動を行うことと言われています。
痛くて動けない時間をなるべく短くする、痛みが無いわけではないけど、身体を動かせる時間を長くしてあげることが、痛みの治療につながるのです。
当院の神経ブロック注射
神経ブロックも他の治療と同様に、合併症のある治療です。
血管内に薬液が誤注入されると生命に関わる合併症が発症する危険もございます。
当院では可能な限り、合併症を少なくするために
- レントゲン透視下神経ブロック
- 超音波ガイド神経ブロックなどを行い、
血管や薬液を目で見ながら細心の注意を払いブロックを行うように心がけています。
また、重篤な合併症に対応可能なようにAEDなどの緊急用品を準備しております。
よくあるご質問
Q.どのような場合、ブロック注射を検討すべきですか?
痛みのせいで日常生活に支障が出ている場合です。
マッサージ治療や、整形外科や内科でお薬を出してもらい、お薬でコントロールができているのであれば、その上に必要なものではないと思いますが、
何かしらの治療を受けても十分に自分の生活が取り戻せていないような場合に、神経ブロック注射を一つの治療法として試していただく余地はあると思います。
Q.どんな時にペインクリニックに行けばいいですか?
一度ペインクリニックに来たことがある方は、また痛みで困った際にペインクリニックに来てくれることがありますが、どの科目のクリニックに行くかはそこまで大事なことではありません。整形外科でも神経ブロック注射をしっかりやっているところも多いです。
ペインクリニックの特徴を上げれば、ペインクリニックは非侵襲的な治療の専門家でもありますので、「体に負担のかかる手術という選択をせずに何とか治療ができないか」という患者様も相談していただければと思います。
Q. 整形外科とペインクリニックで迷うことがあります。
痛みがあれば、どちらでもいいと思います。(早期の外傷で骨折などが疑われる場合は、最初から整形外科の受診がお勧めです。)
当院は、ある程度様々なお悩みに対応できると思いますので、どんな症状でも気軽に受診していただければと思います。
手術が必要なケースならば、整形外科のドクターを紹介することも可能ですし、集学的な治療(様々な科目の先生が集まって治療)ができる大学病院に紹介することもできます。
痛みのゲートキーパー的な感じで考えてもらっても良いかと思います。
Qブロック注射は、痛みがありますか?
たいていの場合は、思ったよりも痛くなかったといわれることことが多いです。
もちろん必然的に痛みのあるものもございますが、極力痛くなくするにはどうしたらいいかということを考え抜いて行っていますので、痛くてしょうがないということは、そんなに多くないと思います。
ただ、なるべく動かないように患者様にご協力いただくことは、安全になるべく痛みなく注射するために必要です。
しかし、怖さはあるかもしれません。目に見えない身体の後ろや横から注射をすることもあるので、怖いというのはある程度仕方ないことだと思います。もちろんなるべく恐怖感が減るように、お声かけをさせていただきます。